【MLB】インディアンズ視点で見る2017年ポストシーズン ③ライバルチームを紹介・下
前回の記事が思ったより長くなってしまったので、ライバル編を2つに分けました。
今回はその後半、ツインズとヤンキースについて書いていきます。
若手の台頭で復活!ニューヨーク・ヤンキース!!
昨シーズン終盤に頭角を現し始めた若手たちが今年も躍動し、レッドソックスと熱い首位争いを演じたヤンキース。最終的にはワイルドカード(以下WC)でのPS出場となります。インディアンズとは対戦する場合は地区シリーズということになります。
・投手
防御率 | 先発防御率 | 救援防御率 | WHIP | K/9 | BB/9 | 被本塁打 | エラー | 失点 | DRS |
3.72(3) | 3.98(2) | 3.34(3) | 1.21(2) | 9.69(3) | 3.13(6) | 192(2) | 95(8) | 660(2) | +14(5) |
まずは先発投手です。エースのセベリーノを筆頭に、グレイ、田中、サバシア、モンゴメリーなどの投手が揃っています。
セベリーノはWCでの先発が濃厚なため、地区シリーズではおそらく1度しか先発できないでしょう。これはインディアンズにとってはありがたいことです。そのため、地区シリーズではグレイ、田中を1、2戦に、3、4戦目にセベリーノ、サバシア(モンゴメリー)が投げるということになるはずです。
グレイはルーキー時代の2013年の地区シリーズで13イニングを3失点と素晴らしい投球を披露しました。当時は最強投手バーランダーとの投げ合いでしたが、第1戦に投げるなら、今年はクルーバーとの投げ合いになります。
今シーズンの田中は好不調の波が激しく、ニューヨークメディアをかき回してきました。日本時間9月23日の登板では8失点と大炎上しましたが、9月30日の最終登板で7回無失点15奪三振と圧巻の投球を披露しました。
37歳のサバシアは2013年以来の2桁勝利を挙げ、24歳のモンゴメリーもルーキーながら9勝を挙げています。
各投手の今シーズンのインディアンズとの対戦成績をまとめました。セベリーノ以外の先発投手に押さえ込まれるという場面はそこまで多くはありませんでした。また、サバシア、田中は今シーズンはインディアンズとの対戦はありませんでした。
勝ち数 | 負け数 | 防御率 | 試合数 | 投球回 | 奪三振数 | |
Luis Severino | 1 | 2 | 4.86 | 3 | 16.2 | 14 |
Sonny Gray | 1 | 1 | 2.70 | 2 | 13.1 | 18 |
Jordan Montgomery | 0 | 1 | 5.00 | 2 | 9.0 | 12 |
次はリリーフ投手陣です。ロバートソン、ベタンセス、チャップマンの勝利の方程式は他球団に入れば皆がクローザーを務められるほどの豪華さです。しかし、成績を見ると3人のうち、ロバートソン以外はあまり奮っていません。チャップマンは防御率、OPS、K/9、WHIPなどがとクローザーに定着してからキャリアワーストです。また、ベタンセスもBB/9が6.64と、とんでもない数字を叩き出しています。
とはいえ、ウォーレンやグリーン、カンリーなど勝利の方程式に入る前の投手よく頑張っており、リリーフ投手陣全体としては結構充実しています。
ベタンセス、チャップマンが本来の調子を取り戻せばリリーフ投手陣はリーグトップクラスであることは間違いありません。
・打撃
チーム成績
打率 | 出塁率 | 長打率 | OPS | 得点圏打率 | 本塁打 | 盗塁 | 盗塁成功率 | 得点 |
.262(3) | .339(2) | .447(3) | .785(3) | .261(8) | 241(1) | 90(7) | 81.08(1) | 858(2) |
主力選手成績
選手名 | 試合 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 打率 | 出塁率 | 長打率 | OPS | fWAR |
Aaron Judge | 155 | 154 | 52 | 114 | 9 | .284 | .422 | .627 | 1.049 | 8.2 |
Gary Sanchez | 122 | 131 | 33 | 90 | 2 | .278 | .345 | .531 | .876 | 4.4 |
Didi Gregorius | 136 | 153 | 25 | 87 | 3 | .287 | .318 | .478 | .796 | 3.9 |
Brett Gardner | 151 | 157 | 21 | 63 | 23 | .264 | .350 | .428 | .778 | 3.8 |
Chase Headley | 147 | 140 | 12 | 61 | 9 | .273 | .352 | .406 | .758 | 1.9 |
Starlin Castro | 112 | 133 | 16 | 63 | 2 | .300 | .338 | .454 | .792 | 1.9 |
Todd Frzier | 147 | 101 | 27 | 76 | 4 | .213 | .344 | .428 | .772 | 3.0 |
Jacoby Ellsbury | 112 | 94 | 7 | 39 | 22 | .264 | .348 | .402 | .750 | 1.6 |
打率こそアストロズには劣っていますが、長打力では負けていないように思えます。
打線の核はやはりシーズンの主役とも言えるジャッジですが、7月は打率.230、8月は.185と苦しんだ時期がありました。そのため、PSで全く打てなくなってしまうという可能性もゼロではありません(9月のバッティングを見るに厳しいかも)。
昨シーズンの鮮烈デビューから若干影が薄くなったサンチェスは今シーズンもコンスタントに打っています。
他にもフレイジャー、グレゴリウスと一発のあるバッターが揃っています。
・まとめ
先発 B
リリーフ B+
打撃 B+
守備・走塁 B
PSに出場するチームの中でもヤンキースは投打のバランスは取れている方だと思います。しかし、ジャッジ選手の調子にチームが左右されがちな部分があります。ジャッジが絶不調だった7・8月のヤンキースは28勝27敗、それ以外の好調な月では63勝44敗と差がはっきりと出ています。インディアンズが勝ち進むためにも、第1戦の先発投手がジャッジを完璧に抑えて、彼を乗せないようにしたいところです。
昨年の103敗から一気にPSへ!ミネソタ・ツインズ!!
3桁敗戦の翌年にPSに出場する史上初のチームとなったツインズ。WCで勝てば地区シリーズでインディアンズと同地区になります。
・投手
防御率 | 先発防御率 | 救援防御率 | WHIP | K/9 | BB/9 | 被本塁打 | エラー | 失点 | DRS |
4.59(9) | 4.73(10) | 4.40(12) | 1.37(10) | 7.31(14) | 3.03(4) | 224(12) | 78(2) | 788(9) | +15(4) |
チームスタッツはPS出場チームの中では間違いなくワーストでしょう。
先発投手はWCで先発するエースのサンタナ、2桁勝利をあげているギブソンとベリオス、そのほかにはメヒーア、コロンなどがいます。しかし、防御率が3点台なのはサンタナとベリオスだけで、サンタナもFIPは4.46と良くありません。
リリーフ陣も30試合以上登板且つ防御率が3.00を切っている投手はいません。実際のところ、夏場のトレードでクローザーのキンヅラーをナショナルズに放出した時点で白旗のつもりだったのでしょう。
インディアンズは今シーズンツインズと19試合を戦っていますが、平均で4.89点取っています。うち2試合で完封されましたが、その時の先発はいずれもサンタナ。そのサンタナも地区シリーズでは1試合でしか先発できないはずですから、投手に関してはそこまでの脅威はありません。
守備面に関しては良い成績を残しています。
・打撃・走塁
チーム成績
打率 | 出塁率 | 長打率 | OPS | 得点圏打率 | 本塁打 | 盗塁 | 盗塁成功率 | 得点 |
.260(5) | .334(4) | .434(6) | .767(4) | .268(5) | 206(9) | 95(5) | 77.05(5) | 815(4) |
打撃成績に関しては、ほとんどのスタッツがリーグトップ5に入っています。しかし、どのスタッツも上にアストロズ、インディアンズ、ヤンキースがいるため、PS出場チームの中では上の方とは言えなさそうです。
主力選手成績
選手名 | 試合 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 打率 | 出塁率 | 長打率 | OPS | fWAR |
Brian Dozier | 152 | 166 | 34 | 93 | 16 | .269 | .357 | .496 | .853 | 4.9 |
Eddie Rosario | 151 | 157 | 27 | 78 | 9 | .290 | .328 | .507 | .836 | 2.5 |
Max Kepler | 147 | 124 | 19 | 69 | 6 | .243 | .312 | .425 | .737 | 1.2 |
Joe Mauer | 141 | 160 | 7 | 71 | 2 | .305 | .384 | .417 | .801 | 2.3 |
Byron Buxton | 140 | 117 | 16 | 51 | 29 | .253 | .314 | .413 | .728 | 3.5 |
Jorge Polanco | 133 | 125 | 13 | 74 | 13 | .256 | .313 | .410 | .723 | 1.6 |
Miguel Sano | 114 | 112 | 28 | 77 | 0 | .264 | .352 | .507 | .859 | 2.3 |
ドージャー、マウアーは30代ですが、ロザリオ26歳、ケプラー24歳、バクストン23歳、ポランコ24歳、サノー24歳と若い選手が多いのが特徴です。PSでは若い選手たちが勢いづけば、台風の目になるかもしれません。特に身体能力の高いバクストンは1試合3ホームランを打ったり、ものすごいスピードでダイヤモンドを爆走したり、スーパーマンのようなキャッチを見せたりと、大器の片鱗を見せています。
・まとめ
先発 C+
リリーフ C
打撃 B
守備・走塁 B
昨年から大躍進を見せたツインズですが、PSに出場する他のチームに比べると投手面でかなり劣っている印象を受けます。仮にWCでサンタナで勝てたとしても、それ以外に計算できる投手がかろうじてベリオスという感じになってしまいます。フレッシュな打線は魅力的ですが、どのスタッツもヤンキースより少し下という感じ。ただ、若い選手たちが急に活躍するということもPSではあるので、ある意味ダークホース的な存在になるかもしれません。
結局インディアンズはワールドシリーズまで行けるの?(考察)
ア・リーグでの最大のライバルはやはりアストロズです。しかし、対戦したくないのはレッドソックスといったところでしょうか。レッドソックスは今シーズンインディアンズに勝ち越しており、インディアンズ投手陣も打ち崩しています。そのため、レッドソックスとアストロズが地区シリーズで潰しあってくれるのは本当にありがたい話です。
ところで、メジャーのPSでは攻撃:守備=4:6くらいのバランスが取れたチームが強い印象があります。ここ数年でワールドシリーズまで進出したチームはいずれも攻守のバランスがよくとれており、特に守備が良かった印象があります。
2014年 ジャイアンツ-ロイヤルズ
2015年 ロイヤルズ-メッツ
2016年 カブス-インディアンズ
今年のア・リーグのPS進出チームで考えてもこの4:6の比に一番近いのは間違いなくインディアンズでしょう。
昨年以上の完成度の高さを誇る今シーズンのインディアンズ。ワールドシリーズまでの道のりは険しいですが、絶対に勝ち進み、そして昨年のリベンジを果たしてくれることを期待しています!
Let's Go Tribe !!!!
最後に