【MLB】インディアンズ視点で見る2017ポストシーズン ②ライバルチームを紹介・上
この記事ではインディアンズ視点に立って、2017年のポストシーズン勝ち抜くことは可能なのかを考察していきます。あくまで考察なので管理人の自己満足に過ぎないのですが、最後まで読んでいただけると幸いです。
前回はインディアンズのチーム成績、個人成績をまとめました。今回はPSでのインディアンズのライバルチームを分析していきたいと思います。
AL最強の攻撃力!ヒューストン・アストロズ!!
まずはア・リーグでナンバーワンの攻撃力を誇るアストロズ。インディアンズが勝ち進んだ場合、リーグ優勝決定シリーズで当たる可能性が高いです。シーズンオフの補強に加え、夏場のトレードでサイ・ヤング賞右腕のバーランダーを獲得しています。インディアンズの神がかり的な連勝によって勝率1位こそ逃しましたが100勝を達成し、シーズンを通して高い勝率を維持しました。
・投手
防御率 | 先発防御率 | 救援防御率 | WHIP | K/9 | BB/9 | 被本塁打 | エラー | 失点 | DRS |
4.12(5) | 4.03(3) | 4.27(10) | 1.27(5) | 9.91(2) | 3.25(10) | 192(2) | 99(9) | 700(4) | -19(10) |
まずは先発投手陣です。
先発1番手の候補はサイ・ヤング賞獲得経験のあるバーランダーとカイケルですが、後半戦ピリッとしないカイケルより経験豊富で終盤好調のバーランダーが妥当でしょうか。
PSの通算成績の比較
バーランダー カイケル
登板数 16 3
勝-負 7-5 2-0
防御率 3.39 2.57
投球回 98.1 14.0
奪三振数 112 14
過去3年(2014〜2016)の対インディアンズの通算成績
バーランダー カイケル
登板数 13 2
勝-負 2-7 2-0
防御率 4.74 2.08
投球回 79.2 13.0
奪三振数 77 12
バーランダーは長い間インディアンズと同地区のタイガースに所属していたためインディアンズとの対戦経験は豊富ですが、決して得意ではないようです。今シーズンも1勝3敗防御率8.14と打ち込まれています。一方、カイケルは対戦数こそ少ないものの、インディアンズ打線を抑えています。今年はインディアンズ戦の登板は1度だけですが2失点完投勝利をあげています。
しかしこうしてみると一長一短でなかなか難しいですね(笑)。
3戦目以降は14勝のモートン、13勝のピーコック、オールスター右腕マカラーズ、ノーヒッター経験ありのファイヤーズなど役者は揃っています。ただ、今シーズンの調子から判断すればモートン、ピーコックが有力でしょう。
ブルペンに関しては、クローザーのジャイルズとセットアップマンのデベンスキはシーズンを通して見れば安定しており、途中からリリーフに転向したマスグローブも好投していますが、全体としてはあまりよくありません。また、2015年に19勝をあげたマクヒューがロングリリーフに回る可能性があります。
・打撃・走塁
チームの打撃・走塁成績をまとめて見ました。
打率 | 出塁率 | 長打率 | OPS | 得点圏打率 | 本塁打 | 盗塁 | 盗塁成功率 | 得点 |
.282 | .346(1) | .478(1) | .823(1) | .294(1) | 238(2) | 98(4) | 69.78%(12) | 896(1) |
打率、打点、安打数、出塁率、長打率、(OPS)、XBH*1など、多くのスタッツがリーグ1位、そのほかの打撃成績も上位に位置し、攻撃力ならリーグ、メジャーでナンバーワンでしょう。盗塁はリーグ4位ですが、トレードで足の早いメイビンを獲得しているため、実際はもう少し上でしょう。盗塁成功率の低さから見るに、積極的な走塁をしてきそうな感じがします。インディアンズのキャッチャーはゴームズも控えのペレスも盗塁阻止率は高いため、確実に刺していきたいところです。
選手名 | 試合 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 打率 | 出塁率 | 長打率 | OPS | fWAR |
Alex Bregman | 155 | 158 | 19 | 71 | 17 | .284 | .352 | .475 | .827 | 3.8 |
Jose Altuve | 153 | 204 | 24 | 81 | 32 | .346 | .410 | .547 | .957 | 7.5 |
George Springer | 140 | 155 | 34 | 85 | 5 | .283 | .367 | .522 | .889 | 4.5 |
Yuli Gurriel | 139 | 158 | 18 | 75 | 3 | .299 | .332 | .486 | .817 | 1.8 |
Josh Reddick | 134 | 150 | 13 | 82 | 7 | .314 | .363 | .484 | .847 | 3.5 |
Marwin Gonzalez | 134 | 138 | 23 | 90 | 8 | .303 | .377 | .530 | .907 | 4.1 |
Carlos Correa | 109 | 133 | 24 | 84 | 2 | .315 | .391 | .550 | .941 | 5.2 |
個人ではMLP候補のアルトゥーべ、離脱がなければMLP候補であったコレア、銭湯だ打者ホームランを量産するスプリンガーなどメジャーを代表する強打者が並んでいます。9月に故障したレディックはPSに間に合うそうです。表には載せていませんが、カーディナルス時代のPSでの活躍が印象的なベルトランも忘れてはなりません。
・まとめ
先発 B+
リリーフ B-
打撃 A
守備・走塁 B-
アストロズはメジャートップの攻撃力を持っており、投手陣もインディアンズには劣るものの、まあまあの成績を残しています。この記事を書きながら「本当に勝てるのだろうか」と思ってしまうほど戦力は充実しています。実際インディアンズは今シーズンアストロズに対して5勝1敗と勝ち越してはいるものの、全て3点差以内の試合です。
さらに少し怖いデータがあります。アストロズのビハインド時の打率が.273でリーグトップ。一方インディアンズは.231で最下位。先にリードされると厳しい展開になるかもしれません。
そのため、先制・中押し・ダメ押しというインディアンズの攻めをしっかりとし、ランナーを溜められてビッグイニングを作られないようにすることが勝利への重要な鍵になるでしょう。
激戦ア東を連覇!ボストン・レッドソックス!!
続いては混戦の東地区を制したボストン・レッドソックスです。 昨年のプレーオフではインディアンズにスウィープされ地区シリーズであっさり敗退してしまいましたが、今年の戦力はどうなのでしょうか?
・投手
防御率 | 先発防御率 | 救援防御率 | WHIP | K/9 | BB/9 | 被本塁打 | エラー | 失点 | DRS |
3.70(2) | 4.06(4) | 3.15(2) | 1.25(3) | 9.59(4) | 2.82(2) | 195(5) | 107(12) | 668(3) | +44(2) |
まずは先発投手陣です。
ファレル監督はサイ・ヤング賞左腕のプライスをリリーフに回すと明言しています。そのため、1番手はセール、2番手はポーセロ、3番手はポメランツ、4番手がロドリゲスといったところでしょうか。ポーセロはフェンウェイでの防御率が5.43と死んでいるため、アウェー登板となる2戦目と私は考えています。新加入のフィスターもいますがレギュラーシーズンの成績はあまりよくありません。
今シーズン素晴らしい成績を残したエースのセールはインディアンズを大の苦手としており、防御率14.63とかなり打ち込まれています。インディアンズの先発ではラミレス、ブルース、エンカーナシオン、サンタナがOPS1越えしており、控えのガイヤーは4打数3安打と大当たりしています。もちろんレギュラーシーズンのように打ち込まれるとは限りませんが、セールがインディアンズに対して良くない印象を持っているのは確実です。
また、ポーセロはあくまで主観ですが、メンタルがあまり強くない印象があります。タイガース、レッドソックスでPSに出場していますが、通算では0勝3敗防御率5.66と成績はかなり悪いです。22勝してサイ・ヤング賞に輝いた昨年も地区シリーズでインディアンズ相手に打ち込まれ、5回持たず降板しています。
ポメランツは昨年のPSではリリーフで投げていましたが、地区シリーズ第3戦でインディアンズのココ・クリスプに決勝点となるホームランを打たれています。
ブルペンは防御率リーグ2位と素晴らしい成績を残しています。クローザーのキンブレルを筆頭に、ケリー、バーンズ、ヘンブリー、アバドなどなかなか打ち崩すのが大変そうです。特にキンブレルは防御率1.34、K/9は16.39と手がつけられません。さらに先述の通り、インディアンズはビハインド時の打率が低いため、勝ちパターンの継投に入られると苦しくなります。
インディアンズとしては先発を早めに降板させて、PSが大の苦手であるプライスを引っ張り出したいところです(笑)
・打撃・走塁
打率 | 出塁率 | 長打率 | OPS | 得点圏打率 | 本塁打 | 盗塁 | 盗塁成功率 | 得点 | |
2016 |
.282(1) |
.348(1) | .461(1) | .810(1) | .283(1) | 208(7) | 83(6) | 77.6%(2) | 878(1) |
2017 | .258(9) | .329(5) | .407(14) | .736(11) | .277(3) | 168(15) | 106(3) | 77.4%(3) | 785(5) |
昨年は強力打線が売りだったレッドソックスですが、今シーズンの打撃成績は低迷しています。オルティーズが引退し、長打力が下がるのは予想されていましたが、まさかここまでという感じでしょう。ただ、昨年の成績が圧倒的すぎただけで、今年も得点力自体はありそうです。
また、下の表は昨シーズンと今シーズンの主な打撃成績の比較です。
試合 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 打率 | 出塁率 | 長打率 | OPS | fWAR | ||
Mookie Betts | 2016 | 158 | 214 | 31 | 113 | 26 | .318 | .363 | .534 | .897 | 7.9 |
2017 | 153 | 166 | 24 | 102 | 26 | .264 | .344 | .459 | .803 | 5.3 | |
Xander Bogaerts | 2016 | 157 | 192 | 21 | 89 | 13 | .294 | .356 | .446 | .802 | 4.9 |
2017 | 148 | 156 | 10 | 62 | 15 | .273 | .343 | .403 | .746 | 3.2 | |
Dustin Pedroia | 2016 | 154 | 201 | 15 | 74 | 7 | .318 | .376 | .449 | .825 | 5.4 |
2017 | 105 | 119 | 7 | 62 | 4 | .293 | .369 | .392 | .760 | 1.9 | |
Jackie Bradley Jr. | 2016 | 156 | 149 | 26 | 87 | 9 | .267 | .349 | .486 | .835 | 5.0 |
2017 | 133 | 118 | 17 | 63 | 8 | .245 | .323 | .402 | .726 | 2.3 | |
Hanley Ramirez | 2016 | 147 | 157 | 30 | 111 | 9 | .286 | .362 | .505 | .866 | 2.7 |
2017 | 133 | 120 | 23 | 62 | 1 | .242 | .320 | .429 | .750 | -0.4 |
昨年OPS.800以上の選手が今年はほとんど.800を切っています。かろうじてベッツが越えていますが、MVP級の活躍を見せた昨年と比較すれば物足りなさを感じます。
一方で、ルーキーのベニンテンディは安定した成績を残し、デバースの出現も良い意味で誤算になっています。
さらに、シーズン途中にジャイアンツから移籍し、好成績を収めていたヌニェスも終盤にDL入りしたものの地区シリーズまでには戻ってきそうです。
・まとめ
先発 B+
リリーフ B+
打撃 B-
守備・走塁 B+
今年のレッドソックスには昨年ほどの攻撃力はありません。しかし、今年は堅いリリーフ投手陣に加え、延長戦18試合で15勝と脅威の粘り強さを見せています。さらに、シーズン終盤まで首位争いをしていたこともあり、落とせない試合をインディアンズより確実に多くこなしています。
インディアンズは今シーズンレッドソックスに対して3勝4敗、うち5試合で5点以上取られており、先発で勝利を挙げているのがバウアーのみと不安が残ります。さらに負けた4試合全てで7回以降に失点しており、リリーフが打たれる場面が目立っています。もしかすればアストロズよりも戦いにくい相手かもしれません。
インディアンズ側からすればPSが苦手なポーセロから2勝、経験の浅いロドリゲスから1勝、インディアンズが苦手なセールから1勝したいところです。
次の記事ではヤンキース、ツインズについて書いていきたいと思います。