【MLB】インディアンズ視点で見る2017ポストシーズン ①自チーム分析
2017年のレギュラーシーズンも終了し、まもなくポストシーズン(以下PS)が始まります!
昨年より激戦になる予感しかしないア・リーグですが、制するのはいったいどこのチームになるのでしょうか?
希望的観測ですが、私はクリーヴランド・インディアンズを推しています。(贔屓だし)
今シーズンは序盤こそ足踏みしていましたが、終盤にメジャー記録を更新する22連勝*1を記録し、気づけばぶっちぎりで地区優勝という感じでした。最終的には102勝60敗でPSの1位シード権も獲得しました。
この記事ではインディアンズ視点に立って、2017年のPSを勝ち抜くことは可能なのかを考察していきます。あくまで考察なので管理人の自己満足に過ぎないのですが、最後まで読んでいただけると幸いです。
まず初めにインディアンズの個人成績、チーム成績をまとめていきます。
中心選手
・先発投手陣 赤はリーグトップ
選手名 | 勝ち数 | 負け数 | 防御率 | 試合数 | 投球回 | 奪三振数 | WHIP | FIP | K/9 | BB/9 | fWAR |
Corey Kluber | 18 | 4 | 2.25 | 29 | 203.2 | 265 | 0.87 | 2.50 | 11.71 | 1.59 | 7.3 |
Carlos Carrasco | 18 | 6 | 3.29 | 32 | 200.0 | 226 | 1.10 | 3.10 | 10.17 | 2.07 | 5.5 |
Trevor Bauer | 17 | 9 | 4.19 | 32 | 176.1 | 196 | 1.37 | 3.88 | 10.00 | 3.06 | 3.2 |
Mike Clevinger | 12 | 6 | 3.11 | 27 | 121.2 | 137 | 1.25 | 3.84 | 10.13 | 4.44 | 2.2 |
Danny Salazar | 5 | 6 | 4.28 | 23 | 103.0 | 145 | 1.34 | 3.48 | 12.67 | 3.84 | 2.2 |
Josh Tomlin | 10 | 9 | 4.98 | 26 | 141.0 | 109 | 1.28 | 4.12 | 6.96 | 0.89 | 2.2 |
先発投手陣はサイ・ヤング賞エースのクルーバーを中心に2桁勝利投手が5人、うち3人が17勝以上と実力のある投手が揃っています。3人の投手が17勝以上且つ190奪三振以上は長いMLBの歴史で初だそうです。バウアーは17勝をあげており、K/BB 2.40→3.27と向上してはいますが、出来過ぎの感はあります。
PSでは1戦目クルーバー、2戦目カラスコ、3戦目バウアーはほぼ確定ですが、4人目はクレビンジャーかサラザールのどちらかでしょう。シーズンの成績を見ればクレビンジャーの可能性が高いですが、単純なスペックだけではサラザールの方が上という感じ。実際、FIPもサラザールの方が上です。また、シーズン終盤はサラザールが先発し、クレビンジャーがリリーフするという試合も見られました。昨シーズンのPSでは頑張ってくれたトムリンですが、今シーズンは終始不安定だったため、ローテーションに入る可能性は低いと思われますが、仮に入った場合はクレビンジャーとサラザールの両方がリリーフに回るということも考えられます。
・リリーフ投手陣
選手名 | 勝ち数 | 負け数 | 防御率 | 試合数 | 投球回 | 奪三振数 | セーブ数 | HLD | WHIP | K/9 | BB/9 |
Andrew Miller | 4 | 3 | 1.44 | 57 | 62.2 | 95 | 2 | 27 | 0.83 | 13.64 | 3.02 |
Cody Allen | 3 | 7 | 2.94 | 69 | 67.1 | 92 | 30 | 4 | 1.16 | 12.30 | 2.81 |
Bryan Shaw | 4 | 6 | 3.52 | 79 | 76.2 | 73 | 3 | 26 | 1.21 | 8.57 | 2.58 |
Dan Otero | 3 | 0 | 2.85 | 52 | 60.0 | 38 | 0 | 2 | 1.20 | 5.70 | 1.35 |
Nick Goody | 1 | 2 | 2.80 | 56 | 54.2 | 72 | 0 | 6 | 1.08 | 11.85 | 3.29 |
Zach McAllister | 2 | 2 | 2.61 | 50 | 62.0 | 66 | 0 | 3 | 1.19 | 9.58 | 3.05 |
Tyler Olson | 1 | 0 | 0.00 | 30 | 20.0 | 18 | 1 | 8 | 0.95 | 8.10 | 2.70 |
リリーフ投手陣はメジャー全体でも屈指の陣容です。アレン、ミラー、ショウ以外にも好成績の投手が揃っています。表に載せた選手以外にスミスやローガンといったピッチャーもおり、層の厚さを感じさせます。
昨年のPSでは先発はクルーバー、バウアー、トムリンの3人でほとんど回していました。さらに、クルーバーは中3日で回し、バウアーとトムリンはイニングを食えないため、リリーフの負担はかなり大きいものとなっていました。実際、地区シリーズとリーグ優勝決定シリーズで大車輪の活躍を見せたミラーもワールドシリーズ終盤では打ち込まれるシーンが目立っていました。
一転今年はカラスコがいること、バウアーが少し成長したこと、クレビンジャーかサラザールのどちらかがリリーフに回れることもあり、リリーフの負担は軽減されそうです。さらに4人でローテーションを回すとなれば、完投能力の高いクルーバーが最後まで投げ切り、ブルペンを休ませることもできるかもしれません。
・打線
選手名 | 試合 | 安打 | 本塁打 | 打点 | 盗塁 | 打率 | 出塁率 | 長打率 | OPS | fWAR |
Francisco Lindor | 159 | 178 | 33 | 89 | 15 | .273 | .337 | .505 | .842 | 5.9 |
Edwin Encarnacion | 157 | 143 | 38 | 107 | 2 | .258 | .377 | .504 | .881 | 2.5 |
Carlos Santana | 154 | 148 | 23 | 79 | 5 | .259 | .363 | .455 | .818 | 3.0 |
Jose Ramirez | 152 | 186 | 29 | 83 | 17 | .318 | .374 | .583 | .957 | 6.6 |
Yan Gomes | 105 | 79 | 14 | 56 | 0 | .232 | .309 | .399 | .708 | 1.8 |
Jay Bruce*2 | 145 | 140 | 36 | 99 | 1 | .253 | .322 | .508 | .830 | 2.7 |
Bradley Zimmer*3 | 101 | 72 | 8 | 39 | 18 | .241 | .307 | .385 | .692 | 1.6 |
Michael Brantley | 90 | 101 | 9 | 52 | 11 | .299 | .357 | .444 | .801 | 1.6 |
Jason Kipnis | 90 | 78 | 12 | 35 | 6 | .232 | .291 | .414 | .705 | 0.7 |
Austin Jackson | 85 | 89 | 7 | 35 | 3 | .318 | .387 | .482 | .869 | 1.8 |
Lonnie Chisenhall | 82 | 68 | 12 | 53 | 2 | .288 | .360 | .521 | .881 | 1.4 |
インディアンズの打線は3割打者がぞろぞろいるというわけではなく、出塁率の高い打者が揃っています。よく打つ打線というよりかは、打ち取りにくい打線というのが的確でしょう。
昨年からインディアンズは攻撃力は高いチームではあったものの、本塁打が少ないのがネックでした。しかし今年は新加入のエンカーナシオンが38本、リンドーアとラミレスがキャリアハイを倍以上更新して、それぞれ33本、29本ずつ打っています。さらに夏場のトレードでは長距離砲のブルースをメッツから獲得しています。
そのほかにもチゼンホールやジャクソンはキャリアハイの成績を残しています。
また、2014年から2年連続で15本塁打・15盗塁以上を記録したブラントリーはPSにはギリギリ間に合いました。安定感抜群な彼の復帰はインディアンズにとって大きなプラスとなります。
毎年インディアンズを支えているキプニスは今年は調子が良くありません。ですが、BABIPが.258と若干不運に見舞われている節はあり、2塁打と本塁打のペース自体も昨シーズンと大差ありません。シーズン終盤はセンターでの出場もありましたが、守備面での不安は拭えません。
表に載っていない選手にも、昨年のPSで大活躍だった控え捕手のペレス、デッドボールが多いガイヤー、好守のアーシェラなどがいます。
チーム成績 ()内の数字はリーグ順位
・打撃・走塁
打率 | 出塁率 | 長打率 | OPS | 得点圏打率 | 本塁打 | 盗塁 | 盗塁成功率 | 得点 | |
2016 | .262(4) | .329(4) | .430(6) | .759(4) | .260(8) | 185(10) | 134(1) | 81.2%(1) | 777(2) |
2017 | .263(2) | .339(2) | .449(2) | .788(2) | .252(9) | 212(8) | 88(9) | 79.1%(2) | 818(3) |
昨シーズンと比較すると今シーズンはほとんどのスタッツで成績が向上しています。盗塁の数は大きく減りましたが、これは昨シーズン43盗塁のデービスが抜けたためであり、そのほかの選手の盗塁数はあまり変化はなく、盗塁成功率も上位をキープしています。
本塁打数は昨年から27本増加していますが、今年はMLB全体で本塁打が増えているため、順位自体はそこまで変わりませんでした。
・投手・守備
防御率 | 先発防御率 | 救援防御率 | WHIP | K/9 | BB/9 | 被本塁打 | エラー | 失点 | DRS | |
2016 | 3.84(2) | 4.08(2) | 3.45(2) | 1.24(2) | 8.71(2) | 2.87(5) | 186(8) | 89(7) | 676(2) | +17(6) |
2017 | 3.30(1) | 3.52(1) | 2.89(1) | 1.16(1) | 10.08(1) | 2.53(1) | 162(1) | 76(1) | 564(1) | +24(3) |
投手陣に関しては文句のつけようがありません。ほとんどの項目で頭一つ抜けています。特に打高傾向のある今年で被本塁打162と失点564はとんでもない数字だと思います。投手力に関してはア・リーグで敵なしといったところでしょう。懸念材料があるとすればクルーバー、カラスコに次ぐ3人目以降の先発投手です。バウアー、クレビンジャーは22連勝中に大幅に成績が向上しているため、PSでも同じような投球ができるとは限りません。ただ逆に22連勝中のような投球がPSでもできればインディアンズの先発投手陣は手がつけられなくなるでしょう。
守備面に関しても、エラーが10個以上も減り、DRSも+24と優秀です。
・まとめ
先発 A-
リリーフ A
打撃 B+
守備・走塁 B+
今年のインディアンズは投打ともに昨年よりパワーアップしており、PSの下馬評もかなり高くなるでしょう。PSで対戦する可能性のあるチームとはレギュラーシーズンではレッドソックス以外には全て勝ち越しています。ただ、22連勝という歴史的快進撃を見せた勢いをPSでも継続できるのか、9月のドジャースがそうであったように大きな反動がきてしまうのか。実力だけならリーグ優勝は十分可能だと思うので、この辺りをどのようにマネジメントしていくかが鍵です。
以上、インディアンズ戦力分析編でした。
次の記事ではインディアンズとリーグ優勝決定シリーズで対戦する可能性のある、ヒューストン・アストロズとボストン・レッドソックスについてまとめていきたいと思います。