自己満足の殿堂

NO FALCONS, NO LIFE

【MLB】Robbie Rayって何者?

ESPNの記者に「マックス・シャーザー級の素材」とまで言われた大器、ロビー・レイをご存知でしょうか。

私は某MLB雑誌でこのコメントを見て、来年絶対覚醒するぞ!と思い、そして臨んだ2017シーズンでしたが、見事にやってくれました!!

なので今回の記事ではそんな絶賛売り出し中?のレイを紹介したいと思います。

1.基本情報

ロバート・グレン・レイ

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<https://www.google.co.jp/url?sa=i&rct=j&q=&esrc=s&source=images&cd=&cad=rja&uact=8&ved=0ahUKEwiO64anxLHXAhXINpQKHdKPBp0QjhwIBQ&url=http://www.fantasyalarm.com/mlb/player/robbie-ray-l/100692/&psig=AOvVaw2oFlcyCzhrwVGenO-gkEfI&ust=1510318295171258>

アリゾナ・ダイヤモンドバックス所属 投手 背番号38

26歳(1991年10月1日)

188cm/88kg

左投げ左打ち

2010年ドラフト12巡目、全体356位でナショナルズから指名。

 

2. 2017年、覚醒のシーズン 

 過去3年間の成績(スマホだと小さくて見えづらいかもです)

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まず、2016〜2017シーズンの成長箇所まとめると*1

勝利数:8(リーグワースト2位T)→15(リーグ6位T)

敗戦数:15(リーグワースト2位)→5(リーグ3位)

防御率:4.90(リーグワースト1位)→2.89(リーグ4位)

WHIP:1.47(リーグワースト2位)→1.15(リーグ6位)

被打率:.267(リーグワースト7位)→.199(リーグ2位)

OPS:.770(リーグワースト5位)→.646(リーグ5位)

 

凄いwww 

2017シーズンは打線の援護が昨シーズンよりも多かったのは事実ですが、リーグワーストクラスだったスタッツが1年でリーグトップクラスになるのですからとんでもない話です。

そして、ロビー・レイの最大のウリであるK/9は11.25(リーグ2位)から驚異の12.11(リーグ1位)!!

シャーザー級の素材がとうとうシャーザーの奪三振率を超えてきました

ただ、なかなか改善されないのがコントロール

BB/9は年々悪化し、2017シーズンの3.94はリーグワースト。。。

そのため、K/BBはなかなか完成度の高い投手の閾値である3.50を超えることが出来ていません。

ただ、逆にコントロールが改善されれば、ナ・リーグではカーショーやバムガーナーに割って入る好投手に成長する可能性があるということです。

まだまだ未完成な感じも彼の魅力です。

 

3.成長の要因はカーブ!?

ロビー・レイが去年から大きな成長を遂げたということはここまでで理解できたと思います。では、一体何がこの成長につながったのでしょうか。今回は2つの観点から見ていきたいと思います。(他にもあれば是非教えてください)

・球種別投球割合を見る(fangraphsより)

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この表から明らかな通り、ロビー・レイ成長の要因の一つは間違いなくカーブを増やしたことでしょう。

そもそもロビー・レイは荒れ気味の速球でグイグイ押すタイプのピッチャーです。ただ、その速球が2016シーズンまではうまく生かしきれていませんでした。一転今年はカーブという速球の最高のパートナーを見つけたこと、これが大きな躍進につながったと言えるでしょう。

これの裏付けはもう1つあります。Pitch Valueという指標に注目してみると、、、

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いずれの球種も大幅に改善されています。特に、2016年にあまり良くなかったチェンジアップを減らし、代わりにカーブを増やすことによって、結果的に全ての球種が改善されています。カーブを入れることによって、歯車がガッチリ噛み合ったのが良くわかると思います。(Pitch Value については以前書いたクルーバーの記事に説明がありますので是非そちらもご覧ください)

 

 

・球速と回転数を見る(表はbaseballsavantより)

 2016年(赤:直球、紫:スライダー、青:チェンジアップ)

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2017年(緑:カーブ)

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繰り返しになりますが2016〜2017ではチェンジアップとスライダーが減、カーブが増という感じです。

そして特に気になるのは、

①カーブを増やしたからといって球速差が大きくなったというわけではない

②チェンジアップの回転数が大幅に減少し、スライダーの回転数が増加

③速球に大きな変化はない

という点。ここからわかるのは、単純に投球の組み立てを変えただけではなく、変化球の精度が高くなっているということです。同じ球種でも球速や回転数がバラバラであれば、その球を真の意味で操れているということにはなりません。 (あえてバラつかせている場合ももちろんありますが)

また、下の表はメジャー最強投手のカーショー(LAD)の散布図です。

まあ言うことはないですね。信号機のようです。

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ちなみに速球とカーブとの球速差がカーショーの方が大きいのは、ロビー・レイのカーブはカーショーのドロップするようなものではなく、横変化が強くもう少し速いものであるからです。

回転数に関してはカーショーはレイよりいずれの球種も高回転です。

無論、回転数を増やせばバーランダーのように成績が上がるのかと言われれば、そんな簡単な話ではありませんが、本格派好投手の共通項のような部分はあります。

ただ、ロビー・レイは1球ごとに雄叫びをあげながら全力で腕を振って投げるのが特徴なので、変に回転を意識して腕の振りが鈍くなるなんてことは避けて欲しいです。

 

 実際のピッチング(動画はYoutubeに飛んで見てください)

・今シーズンはキャリア初の完封


5/30/17: Ray fans 10 in the four-hit shutout win

 

・キャリア最多の14奪三振(この日の主役はJ.D.マルティネスでしたが)


Martinez's four homers, Ray's 14 K's cap win: 9/4/17

 

4.まとめ 

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今シーズンは多くのスタッツでリーグ上位に入り、大ブレイクを果たしたロビー・レイ。7月28日には打球が頭部に直撃するという大きなアクシデントに見舞われましたが、1ヶ月で復帰するという回復力と気持ちの強さを見せました。

1球毎に雄叫びをあげながら、三振を量産していくその投球はまさにマウンド上の支配者。それに加えて、まだまだ制球面など、伸びしろも十分にある。そんな彼が西地区でカーショーやバムガーナーに並ぶサウスポーなる日が来るのでしょうか。

来シーズン以降もますますロビー・レイから目が離せません!!!

 

*1:順位は規定投球回に到達した選手間でのもの